シルエットはネコ型ろぼっと

いい人になることから抜け出せない!相手にどう思われるか気にしてしまう自分に嫌気がさした時には精神崩壊…。現在ひきこもり中の主婦ポン子の日常と子育て・自分育てを書いていこうと思います。(ポコ吉のやさしさ付き)

祖母が馬肉を苦手な理由

馬肉

どこのスーパーでも売っているわけではない馬肉

近くの地域では

馬肉を食べる習慣が昔からあるのですが

私たちは普段から食べることはありません

ただし

誰かから頂いたときは

大喜びで料理をします(*^_^*)

高たんぱく・低脂肪・ビタミン豊富といわれる馬肉

馬刺しや馬肉汁

私たち家族は大好きです

 

 

苦手なのは私ではなく

私の祖母なんです

現在は

重度の認知症になり食事も口から摂取することが出来なくなり

施設に入所しています



私が子供のころ

両親は共働きでした

早歩きで1分もかからない祖母の家で

両親の帰りを待っていました

 

なので

祖母に育てられたと言っても過言ではない環境で育ちました

そのころ祖母は専業主婦でした

祖母の作る料理は格別

母曰く

週末になると

「おばあちゃんのご飯が食べたい~」泣いていたそうです(笑)

 

祖母の作る料理は全部おいしいのですが

なんといっても!!

 

白米がおいしい!(炊き方にこだわりがあるらしい)

 

そして

中華そば(出汁から丁寧にとり、チャーシューも手づくり)

いわしのすり身汁

激辛カレー(こども用に甘口を別鍋で作ってくれる)

こんにゃくみそ

オムライス

馬肉汁

巨大おにぎり(お友達から笑われたことも(-_-;))

などなど

どれもこれもおいしかったことを覚えています

祖母はいつも台所に立ち

黙々と料理をしていました

幼心に「この人すごい!!」と感じていました

 

 

月日は流れ

祖母の料理について父と思い出話をしていた時のこと

父が祖母の作る料理が好きで

たまたま馬肉汁の話になり

ここ何年も食べてないなぁとつぶやいていたのですが

 

「そういえば祖母は馬肉汁を作ってはくれるけれども食べているところ見たことないよね???」

という話になり

祖母に聞いてみました認知症になる前)

 

 

それまでは

にこやかに話を聞いていた祖母が

急に神妙な面持ちで 

「実はね、馬の肉苦手なんだよ。見るのも本当にいやなんだよ」と言ったのです。

 

え?そうだったの?

何がそんなに苦手なの?

におい?味?見た目が嫌?

でもなんで馬肉汁よく作ってくれてたんだろう???

 にしても見るのも嫌なものを

よくぞ作ってくださいました

感心しつつも

 

なんでそんなに苦手なのか理由が知りたくなりました

 

すると

祖母が子供のころ

太平洋戦争を経験したことを話してくれました

 

祖母は山梨県甲府市が故郷

三人きょうだいの長女である祖母が

12歳ぐらいのころ

家族と一緒にいた時に

焼夷弾?が投下され

近くの学校まで

泣きじゃくる妹を背負い

必死で逃げたそうです

 

近くに焼夷弾が落ちたり

歩けないで苦しんでいる人を見ながら

助けることもできず

怖くて怖くて

とにかく必死で逃げたそうです

 

そして

その途中で馬が死んでいたこと

その死んでいた馬を食べようと群がる人たち

その光景が忘れられず

今でも馬の肉を食べることができないということでした

 

馬がかわいそうで食べられないということなのか聞いてみましたが

祖母は

かわいそう・・・とは違う感情かもしれない・・・みんな生きることに必死だったんだけど、子供ながらに大人たちの人間の醜い?ような残酷な部分をみたように感じたんだ。その光景が忘れられないんだよ」と教えてくれました。

 

当時祖母も食べるものがなく苦しい思いをしてきたと思うのですが、焼夷弾が飛んでくる恐怖と目の前で起こる残酷な光景が、馬の肉から思い出されてしまうのだと思うと

簡単に馬肉汁作ってほしいとは言えない気持ちになりました。

 

そういう辛い経験をしていながらも

知り合いから馬肉を頂くと

 

命を頂くことを含め

子供たちが喜ぶからと

作っていたようです

 

思い出したくない光景が目に浮かぶ辛さよりも

子供たちに対する愛情が勝る祖母の深い愛

感動したことを思い出したポン子でした

 

 

 

つれづれなるポン子